納涼エッセー
 ISAサインエキスポ視察日記
東北支部 (株)クリエイティブダイワ 富永 有紀
2007年4月10日 1日目

 約8時間の空旅も終わり、ロサンゼルスに着いた。時差ボケというのかは解らないが、足が重く感じた。
 到着後Quiel Brothers Sign Companyを訪問した。やはりアメリカの看板には、スケールの違いを感じ、とても多くの事を学ぶことができた。制作物の丁寧な仕上り、アルミを使用したチャンネル、電気容量の大きな安定器、今、需要の高いLEDを使用した看板など、すべてのことに感心し、興味を持つことができた。訪問した後、道路脇に見えるロードサインにも関心がわき、よく見ると、テント生地が使用されていることに驚いた。ロードサイン一つ一つが、しっかりとしたポールで建っており、鉄骨も重量感が感じ取られ、安定した造りなのが感じ取られた。そんな景色を見ながら、バスはホテルに向かい、やっと安息の地に着くことができた。
 ホテルの周りにはスターバックスやファミリーマートなどもあり、とても落ち着くことができた。周りのネオンも光り始め、この地点の印象では、日本もアメリカもネオンは同じだなと思った。

2日目
 まずは朝食を取り、昨日の疲れを吹き飛ばすように気合いを入れた。
 ロサンゼルス市内を視察し、ここでも看板のスケールの違いに驚いた。ハリウッドに着くと、周りは表示面の大きな看板ばかり。下の写真の様に、ビルのガラス面を大きく利用したマクドナルドのインクジェットなど、その他にも、大きな看板ばかりで驚いた。ハリウッドの山にある有名な看板は、遠くからしか見られなかったので、小さく見えたが、近くで見ることができれば、凄いスケールだと想像がついた。
 次は、高級セレブ街のビバリーヒルズに到着。ここではスケールの大きな看板は あまり目につかなかったが、プライスの高そうな看板ばかりが目についた。ルイ・ヴィトン、グッチ、ディオールなど、鏡面の輝かしい看板ばかりだった。もちろん、店内には長居することなどできなかった。
 そして空港に到着、だが飛行機が4時間以上遅れるというハプニングがあり、空港での待機となってしまった。
 やっとのこと、ロサンゼルスを出発すると、待っていたのは、夜に散らばる幾千の光!!ラスベガスの無数のネオンであった。この時、ネオンは日本もアメリカも変わらないと思っていた自分のバカさに気付いた。空港を一歩出ると、数えきれないネオンの数。ふと頭の中で、どれだけの電気代がかかるのか考えてしまう自分がいた。12時にホテルに着くと、そこで待っていたのは、眩しいカジノだった。眠い目もパッと開き、夜中の3時まで同部屋の天野さんとカジノを満喫した

3日目
 昨日の夜遊びもあり、さすが眠かったが、なんとか起床。今日はヘンダーソン市建築法管理局を訪問した。管理局では、多くの人々が私達を歓迎し迎えてくれた。管理局の人の話を聞くと、ヘンダーソン市も看板に対する条例は厳しく、細かい点などにも、いろいろな規制があることが分かった。
 日本ではまだ実行されていないような規制から、日本とは逆の所に観点を置いてある規制もあった。ハイウェイから看板までの距離というのがそれである。やはり、発想の違いが看板に対する意識の違いに現れるのだろう。日本は、道路から離れていなければ、運転の妨げになるという考えなのだろうが、車社会であるアメリカは、近くでなければ看板の意味がない。効果がないという考えらしい。看板の効果を考えると共に、街の景観を意識した条例が看板のマスタープランを作っているところに感動した。やはり、目立つ看板が、街の風景に合う様な色彩になってこそ、本当の意味でベストな看板なのだと思い知らされた。

 次はサインエキスポの会場であるホテルに着いた。サインエキスポでは、各国々の看板業界から、いろいろな機材・資材・部材が展示されており、まだ目にしたことがない物から、お馴染みのインクジェット出力機まで、とても興味のある物ばかりであった。
特に、LEDやチューブライトなどが沢山展示されていたが、細部に注意して見ると、明るさや容量などいろいろな面での違いが見つけられた。インクジェットの出力機もそうである。
 やはり、先進国と途上国の違いだと感じ取られた。技術力と知識で先を行くアメリカやヨーロッパに負けずと、小さいブースながらも必死にアピールしていた台湾や中国の人達が、印象に残った。自分も英語ができれば、その人達と、商品の事・値段の事を話すことができたと思うと心残りになる。有名なメーカーから、まだあまり知られていないメーカーまで、いろいろな業者を見られたことを意識し、これからの仕事に役立てたいと思った。
 そして夜、ラスベガスのアーケードに行き、アーケードのショーを見た。無数に埋込まれたLEDが画像を写し出す。初めての大迫力に体が震えるくらいだった。そのLEDのアーケードの真ん中にあったLGのマーク、改めてLGというメーカーの凄さを実感することができた。無数のLEDに無数のネオン。これが眠らない街、『ラスベガス』なのだと思った。

4日目
 4日目は、少し羽根を伸ばしグランドキャニオンへ観光!!しかし、朝寝坊してしまい、慌ただしい朝に…。なんとかグランドキャニオン行きの飛行機に間に合ったものの機内の揺れがひどく、気持ちが悪くなってしまった。少しずつ酔いをさましながらグランドキャニオンの絶景を見た。本日はいろいろなアクシデントがあったものの、景色を見られたことで、少し回復した。
 その夜、『さよならパーティー』があり、とても美味しい料理を堪能できた。本日、団長である大戸社長は、サインエキスポの幹部とのミーティングだった。少し話を聞いたものの、これからの看板に関する世界的な流れや、規制など、とても興味のある話をしてきたらしい。慣れない英語で、多くの事を吸収しようとしている社長の姿が目に浮かぶ。そんな中、疲労の姿も見せずに団長として、一歩前を歩いていた社長に感謝したい。
 その後部屋に戻り、天野さんと仕事の事で熱く語り合い、その熱くなった気持ちを押さえきれず、朝までカジノで過ごした。

最終日
 寝ずに出発することになったが、体調はバッチリだった。名残もあるもののこの旅行での経験を自信に変えようとする気持ちが、体調を万全にしたのだと思う。
 最終日は飛行機での10時間という長い移動。旅行のことを頭の中で振り返っている内に、いつの間にか寝ていた。

 日本に戻って、今回の旅行のことを考えると、何もかもが新鮮な体験で、新鮮なだけに吸収することも多かった。
 いろいろな場所に行き、たくさんの人と出会い、いろいろなことを見て、聞いて、学んだ。自分一人では、ここまで感動することはできなかったと思うし、心に残ることはないと思う。今回の旅行で、同じ場所と同じ時間を共に過ごすことができた、17人の人達に感謝したい

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