点滅希

 
 「七十七歳」  
    

 ♪もういくつねると お正月! もう幻になりかけた昔の童謡を思い出す。当時は、12月後半ともなるとわくわくした覚えがある。その理由は「勉強しなさい」から解放されるから、それとお年玉。最近の児はクールなもので、黙っていても貰えるものはしっかり貰う。貰った後は爺々婆々など存在感が無くなる。
 ちょうどこの頃、今年の成績が見えてくる。今更慌てても致し方ないものの、営業成績が良くない年は歯が疼く。逆に少しでも良い年は孫と同じように、奇妙にうきうきしてくるから不思議である。「生かすも殺すも相手次第」と嘆き、「得意先あっての腸物」と喜ぶ。実に因果な商売が広告業である。
 先月、協力会社の会長と、発注額の値決めをした。計算機を叩き数字を示すと了承。急に「あんた年なんぼになった?」と聞く。「七十七」と答えると「僕より三つも下じゃ。それにしても頭はよう回転しとるわい。あと十年は大丈夫」とは失礼千萬。
 そう言えば、「喜寿」のお祝いをしてもらっていない。改めて思い出した七十七歳である。

(忠)

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