都市の中では「虚像」が日常の至る所に存在します。例えば建築のガラスや金属、鏡や水などに映り込む風景。あるいは実像が光を受けてできる影や重なり。それらの「偶然が生みだす造形」には実際の風景とは異なるおもしろさがあります。
　「虚像を追いかけて」は、２００９年より２年間、12回のシリーズです。第１回の撮影場所は品川です。曲面ゆえにサッシが細かく割れたビル。そのガラスの面に映り込む向かいの建築群は、まるでモザイクをかけたように変形していました。

作者プロフィール 宮崎　桂（みやざき　けい） サインデザイナー。 株式会社ＫＭＤ代表取締役 日本サインデザイナー協会理事