ほっとコーナー

味自慢・酒自慢 水の都 松江
中国支部  (有)ちどり工房 勝部訓教

 島根県出身、錦織良成監督がメガホンをとる「島根3部作」の最新作で、今年全国ロードショーとなった中井貴一さん主演の映画「RAILWAYS〜49歳で電車の運転手になった男の物語〜」、本作に登場するBATADENこと一畑電車の始発駅となるのが島根県松江市です。
 一畑電車は、淡水と海水が混ざりあう国内でも最大級の汽水湖「宍道湖」(写真)の北側を走る電車でありますが、松江の味として浮かんでくるのは、やはりこの宍道湖で獲れる豊富な水産物ではないでしょうか。
 宍道湖で水揚げされる主な水産物は「相撲足腰(スモウアシコシ)」の順に、スズキ・モロゲエビ・ウナギ・アマサギ(ワカサギ)・シラウオ・鯉・シジミ、これらの七種を総称して「宍道湖七珍」と呼ばれております。
 スズキは和紙で包んで焼いた奉書焼きに、モロゲエビは唐揚や塩焼きに、ウナギは蒲焼に、アマサギは天ぷらやそのまま干して良質なダシとして、シラウオは生や吸い物、鯉は冬季の卵をまぶした糸作り、そして何より有名なのは漁獲量が全国一でもあります「ヤマトシジミ」です。
 「李白」「国暉」「豊の秋」「旭天佑」と松江にも代表的な地酒の銘柄があり、いずれも飲みやすい銘酒ぞろいの為、ついついお酒が進んでしまった翌朝には、きっとこのシジミの味噌汁のありがたさが胃と肝臓に染みわたる事うけあいです。
 また、水産物は宍道湖だけにとどまらず、日本海に近い土地である事や、近隣の境港などで良質な海の幸が水揚げされる為、年間を通して旨い海の幸に出会えます。今や高級魚となってしまった「ノドグロ(アカムツ)」や、冬の定番「松葉ガニ」などが一般的な居酒屋でも良心的な価格で味わえる事は特筆すべき事です。
 出雲松江藩の第七代藩主、松平治郷公(不昧公)は江戸時代の茶人としてもその名を残し、茶の文化と共に、今や海外からも注目される松江の和菓子にも大きな影響を与えました。代表銘菓「山川」「若草」をはじめ、松江の街を歩くと和菓子屋さんが多い事に気付くはずです。京都・金沢に並ぶ茶処・菓子処として、甘党の方にもきっと松江を楽しんでいただけると思います。
 宍道湖の幻想的な夕日や温泉、そしてここでは書き切れない四季の味をご堪能くださいますよう、ご来松の機会をお待ちしております。

 


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