最前線シリーズ 4

 

行灯看板+デジタルサイネージ=ツイミル!

月刊『サイン&ディスプレイ』編集部 青木利典


 デジタルサイネージシステム・監視カメラシステムなどを販売する株式会社ティービーアイから、屋外対応型の筐体に輝度1000カンデラ相当の32インチ液晶ディスプレイを搭載した「ツイミル」が販売されています。
 一般的な業務用の液晶ディスプレイの輝度は450〜500カンデラくらいです。このくらいの輝度だと、日中の屋外では明るさが足りず、画面はほとんど見えなくなってしまいます。「ツイミル」は1000カンデラ相当の輝度ですので、直射日光が当たらなければ、日中の屋外でも充分に画面が見える明るさです。
 現在、一部メーカーから屋外で使える高輝度液晶ディスプレイが発売されていますが、従来品に比べてかなり割高です。「ツイミル」は価格を抑えるために、サムスン製の液晶ディスプレイに“輝度上昇フィルム”を組み合わせて、最大1000カンデラ相当の輝度を確保しています。“輝度上昇フィルム”については、フィルム製造元の韓国メーカーの企業秘密ということで、残念ながら詳細はわかりません。
 筐体の防水性能はIP52規格相当です。雨水に直接晒される環境では使用できませんが、半屋外や屋根の下であれば問題ない防塵・防滴性能があります。現時点では数少ない屋外対応品です。
 製品のラインアップは液晶ディスプレイを両面に搭載したタイプと、片面タイプの2種類。筐体内部には簡易型プレーヤーが収められており、動画、静止画、音声などのコンテンツを再生し、スケジューリング機能も備えています。標準品はFLASH非対応ですが、FLASHの再生を可能にするアップグレードもできます。
 「ツイミル」はエンドユーザーに対して、行灯看板の延長線上のサインとして提案できるのではないでしょうか?もっとも運用方法は大きく異なります。デジタルサイネージの特性を活かして、情報更新をおこなうことが重要です。
 この製品を販売した会社が、コンテンツ制作まで受注する形態も考えられるかと思います。印刷業界などでは、ポスターの印刷・貼り替えと同じような感覚で、デジタルサイネージのコンテンツ制作を請負う試みがなされているとも聞きます。このようなビジネスモデルは確立されていないので、料金設定の難しさがあります。ですが、デザイン力を持ったサイン屋さんであれば、コンテンツ制作で料金を取ることも不可能ではないと思います。
 例えば、核となるコンテンツを季節毎に作り替えるなど、定期的な仕事として受注し、日々の割引き情報などの更新はユーザーさんにやってもらうかたちが取れたら理想的だと思います。このようなサインを導入するには、販売側、ユーザー側双方の理解が必要です。このハードルをクリアできれば、さまざまな情報発信が可能なサインとなるでしょう。
屋外にも設置可能なデジタルサイネージ「ツイミル」。
IP52規格相当の筐体に、輝度1000カンデラ相当の液晶ディスプレイを搭載



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