最前線シリーズ 8

 

「カワサキ ハロウィン 2011」で実施されたプロジェクションマッピング


取材:月刊『サイン&ディスプレイ』編集部 青木利典

 2011年10月22日から30日に「カワサキ ハロウィン 2011」が開催されました。複合商業施設の「ラ チッタデッラ」でのさまざまな企画を中心に、川崎駅前の大通りでもパレードが行われるなど、国内有数のハロウィンイベントです。
 10月28日〜30日には「ラ チッタデッラ」の中心を貫くチネチッタ通り全体を会場にして、仮装のモンスター達がコミュニケーションや音楽を楽しむDJビアガーデン「モンスター・ストリート」が実施されました。この催しの一環として “チネチッタ通りが恐怖のホラーストリートに!”というコンセプトのもとに、1日3回プロジェクションマッピングによる音と映像のショーが行われたのです。
 プロジェクションマッピングとは、平面ではない建物や空間に、プロジェクター投影によって立体的な映像を映し出す映像演出の手法。「ラ チッタデッラ」の建物2箇所に、建物の形状を活かした映像が投影されました。
 1回の上映時間は約6分間。投影が始まると、建物の外観が突如それまでとは違うものに変化し、コウモリが飛び回ったり、巨大な目玉がギョロギョロ動いたり、モンスターが暴れて建物が崩壊する映像が映し出され、チネチッタ通り一帯がお化け屋敷のような空間に様変わり。今までにないダイナミックな映像による演出に、来場者からは驚きの声があがっていました。


最新の映像表現手法“マッピングプロジェクション”を用いて、幅約50m、高さ約13mの校舎に、映像作品が投映された


建物は昼間見るとこんな感じです。


今回のプロジェクションマッピングに関わった会社は以下の通りです。
 ■ プロジェクションマッピングの企画・制作
  antymark(アンティマーク)
 ■ プロジェクターのレンタル提供
  株式会社エージーエーコーポレーション
 ■ 機材コーディネート
  株式会社グラトリ
 ■ アドバイザー
  AmbientMedia(アンビエントメディア)

 企画・制作のantymarkは映像クリエイターのチームです。antymarkが、「ラ チッタデッラ」を運営する(株)チッタ エンタテイメントから受注しています。
 以下はantymarkへの一問一答です。(取材協力:antymark 力石友弥さん、松波直秀さん)
─どういった経緯で受注したのですか?
 川崎市には音楽や映像に力を入れている部署があることを知っていました。我々はプロジェクションマッピングに適した大きな建物を探していて、川崎市の該当部署に問い合わせたところ「ちょうどいい話がある」といって、チッタ エンタテイメントさんを紹介してもらいました。
─準備期間はどのくらいあったのですか?
 3カ月ほどです。
─映像コンテンツは何名で制作したのですか?
 CGクリエイター、アートディレクター、3Dの制作・編集など合計5名です。
─コンテンツ内容についてクライアントからの要望は?
 「チッタに来た子ども達が本気で怖がるくらいインパクトのあるものを」という要望があり、これを踏まえて割と自由にやらせてもらいました。出来上がった内容については「グロ過ぎる」と言われてしまいましたが(笑)。
─どんな機材を使いましたか?
 プロジェクターは三洋電機の「LP-XF71」(輝度1万ルーメン)です。2台で同じ映像を重ねて投影することで明るさを強めました。
─どのようなソフトを使ってコンテンツを制作したのですか?
 3D映像は「3d studio Max」、編集は「After Effects」、マッピング用には「MadMapper」を使いました。
─映像を投影した面積はどのくらいですか?
 中央のガラスの塔に向かって左側の建物はおよそ40m×20m、右側の建物はおよそ25m×25mの2面に投影しました。
─最後にひとことアピールを。
 海外の事例を見ると抽象的なアニメーションなどが多いのですが、今回の案件はアートディレクターがイラストを描き、抽象的な映像ばかりではなく具体的な絵を入れるという新しい試みを実践できました。



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