私のネオン屋稼業奮戦記

 Vol.100
今こそ、ヒラが盛り上げよう
     関東甲信越北陸支部 (株)泉建築設計事務所 菊池光高

菊池光高さん  NEOS、いつも楽しく読んでいます。みんな、文章がうまいですよね。弊社はネオン屋稼業と言えるような業態ではないので、自分にこのコラムの依頼があるとは夢にも思っていませんでした。古参が多い当組合では私はまだまだ新参だし、皆様と違ってたいした話も出来ませんが、私の組合に対する思いの一端をお話ししようと思います。
組合嫌い
 実家は電光ニュース、ネオン、看板と簡単な電気工事もやっていました。私は20代の10年間、父と兄の下で働きました。ネオン組合は父がせっせと行きます。父は酒癖が悪かったので、皆様に数え切れないほどのご迷惑をかけたろうと思います。その分、私は組合内では頭を低くして(低くなっていないか?!)いなければならないと思っています。多分、実家を継いでいる兄も同じ気持ちではないかと思います。
 東広美と電気工事の組合は我々兄弟が担当ですが、実際は殆ど参加しませんでした。
 20代の自分には支部会はただの「オヤジの飲み会」にしか見えませんでした。30代になって看板専門の設計事務所を開設してからも、20代の記憶があるので組合に入る気はありませんでした。これは後に誤解だとわかりました。
ネットワークのおもしろさを知る
 ところが、独立して10年程たった頃、折りからの不景気でもあり、自分の立場でみんなのために出来ることをしたいと思い、看板業者さんの飲み会をやったところ、これが仕事以上に好評でした。「図面はいらねぇからこれだけやってろ」という人もいました。なるほど。私には仕事を通じてのタテの糸はあるが、組合嫌いだったからヨコがない。タテとヨコが交わり複雑かつ強力なネットワークになるということを知りました。
ネオン組合
 2008年8月に入会して、12月の第4支部会がデビューの筈ですが、それを待たずに、あと施工アンカーのワーキンググループ(WG)に知らないうちに入れられて何度も呼び出されました。
 「ネオン組合は活発だから入会するとたいへんだよ」と知り合いに言われたのを思い出しました。でも、もうこの頃になると、「組合に入ったら何かの委員会に入って活動しないと意味がない」と、思うようになっていましたし、あと施工アンカーは実務でも縁が深いので同WGは歓迎でした。どうせ仕事はヒマだし、金はないが時間はあったので、組合にたいした貢献は出来ずとも、せめてなるべく欠席しないように勤めました。技術委員会にも所属しました。
ヒラが盛り上げる
 支部会や委員会に参加するようになると役員の方々の活動ぶりが見えます。一方、私は一生、役員にはなれないだろうし、なりません…ということを押さえておいて、以下は愚見です。
 おそらく組合の役員の方は公平公正を旨とし、かつ「李下に冠を正さず」の精神で活動しているのではないかと思います。組合の場で自社の宣伝はやりづらいし、組合の活性化のためであっても自社の営業に結びつくと誤解されそうな活動も出来ない。従って、あまりとんがった活動はできないだろうと思うのです。違っていたらすみません。私にはそう見えます。
 反面、私のようなヒラは何をやってもいいし、叱られない。
 一例を挙げると、まず鋼管杭。これは数年前から、「弊社に仕事をくれなくてもいいです。公式は教えます。というより本に書いてあります。工事は簡単ですから一度やってみて下さい…」と、業界のために宣伝していたのですが、いろいろ問題があったり、文句を言われたりの紆余曲折があって、今は弊社の商売になってしまいました。すみません。私が役員ではないからこれで済んでいるような気がします。
 また、メーカーや材料屋さんは組合に縁の深い方が多くいます。彼らのライバル企業と組んで勉強会をやるのは、役員の立場ではやりづらくはないですか?私は自由に自分の好きな人と組んでやります。といっても実際には組合員が圧倒的に多いですが、スタンスとしては、の話です。
 更にいうと、メリットがないから組合に入らないという人がいますが、情報も人脈も一方通行ではありませんから、自分が入会して活動しなければメリットは生まれません。だから、組合に入ったら役員が笛を吹くのを待つのではなくて、自分が=ヒラが盛り上げるべきだと思うのです。
 私はそのためにヒラでいたいし、その代わりにたくさん情報発信や活動をしようと思っています。その割には今のところ何もしていません。すみません。今後、がんばります。
ジジイ対策
 委員会に出席していると、委員の中にご高齢だがたいへんな技術家の方が多くいることに気付きます。彼らOBが会社を退社しても組合に出てきてくれるのはとてもありがたいことだと思います。今後も続けて欲しいものです。
 青年部も大事です。これは皆様のおかげでうまくいっている。それとは別の話です。 
 高い技術をもった方が本組合にはたくさんいるので、活用しないのはもったいないです。若者の活動をそばで見ているだけでもいい。困ったときに助けてくれるだけでもいい。OBが退職後も出てきてくれるような仕組み、または居場所を作って頂けないでしょうか。
 私はこれをジジイ対策(失礼)と呼んでいますが、あと10年も経ずに自分もジジイになります。そのときに自分の居場所があって欲しいと願っています。
 そんなよしなしごとを語って筆を置きます。
 みなさま、今後ともよろしくお願いを申し上げます!!



Back

トップページへ戻る



2012 Copyright (c) All Japan Neon-Sign Association