点滅希

 
 省エネ不心得日誌  
    

 省エネとは無縁の遠い昔、ものの本で読んだのが、フランスの階段や廊下の照明のこと。スイッチを入れても通り過ぎる寸前に自動で消えてしまうとか。けち臭い国だと思ったが、今となっては我が身を恥じねばならぬ。
 というわけで、人感センサー内蔵のLED電球を玄関に付けてみた。夜帰宅したとき、パッと点くので暗闇でスリッパを探すこともない。離れれば消えるから点けっぱなしの無駄も防げる。
 しかも明暗センサーのお蔭で、昼間は電球の下で飛び跳ねても主を無視して全く反応しない。
 完璧な省エネを実現したと有頂天になっていたら、エライことに気付いた。スペックに、待機電力0.1Wと書いてある。気に入らないが、この電気代は年間20円くらいだから良しとしよう。
 問題は正味点灯時間だ。我が家で夜帰宅する人間の数からして、点灯時間は1日わずか10分にも満たない。消費電力は60W白熱電球の1/8になったが、3000円もしたLED電球の元を取るのに50年もかかるではないか!
 こうなると思想を切り替えねば恰好がつかぬ。頑固オヤジを迎えるために、今までは1日5時間点けていたと考えよう。それならば、電気代は実に1/200以下になる。ようし、これで立派な社会貢献になった。

(頑)

Back

トップページへ戻る



2012 Copyright (c) All Japan Neon-Sign Association