昔はマラソンやサッカーは男だけのスポーツだったが、今は女性も活躍している。政治の世界でも女性のリーダーを持つ国は少なくない。建築分野の女性進出は目覚ましい。2020年開催、オリンピックスタジアムの設計者は女性だ。ところが、音楽では歌手や演奏家は沢山いるのに作曲家だけはいない。私が知る、世界に名を知られた作曲家はクララ・シューマンぐらいのものだ。なぜなのだろうと不思議に思っていた。女性は出産という男には絶対できないを持つから苦手な分野が一つぐらいあってもおかしくないが、それにしても不思議だ。
　 ただ、一人だけ例外がいる。大島ミチルさんだ。映画「失楽園」（森田正光監督）はこの人の作曲による。繊細で憂いを帯びた旋律に私は酔わされた。iPodに入れて時々聴いているが、飽きることがない。彼女は調べてみると「眉山」（日本アカデミー賞最優秀音楽賞）「阿修羅のごとく」など沢山の秀作映画を作曲しているし、アニメやテレビのドキュメント番組など幅広い分野で活躍している。こんな女性は珍しいのではなかろうか。