点滅希

 
 「水と安全の値段」  
    

 今では水と安全はタダだと思っている日本人は誰もいないだろう。しかし、かつてイザヤ・ベンダサンがそう言った時は目からウロコの思いがした。その時代、ほとんどの日本人は水と安全はタダだと思っていたのだ。
 それから約半世紀、このところの自然災害、テロ、飛行機事故等で安全とはかくも不安定なものかと思い知らされた。安全と危険は紙一重、運と神様の采配次第かもしれない。
 水については最近では大部分の日本人は飲料水を買っている。別に水道水が飲めない訳ではない。ひとえにおいしい水を飲みたいからだろう。私はすべて水道水で間に合わせているが、この間、ヨーロッパに旅行した時は初めて飲料水を買った。ヨーロッパではほとんどの国は硬水だから仕方がない。日本から持参した泡盛を飲むとき、どうしてもミネラルウォーターが必要だったからだ。
 ウィーンのスーパーで500ミリリットル入りの水を買ったら0.53ユーロした。円換算で73円。日本での料金にほぼ近い。しかし、同じ容量の缶ビールは0.39ユーロ、53円。だから水よりビールの方がずっと安いのだ。日本では税金が高いからそういう訳にはいかないが、水を加工したビールが水より安いというのはどういう訳だろう。

(愚庵)

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