ネオンの仕事

 

ネオンを学ぶ若者たち

全ネ協広報副委員長 岩波智代子

 いまシマダネオンの工場に若い人が毎週ネオンの加工を勉強に来ていると聞いて、取材させていただいた。ネオン研修日は毎週土曜。10月24日土曜の午前八時、工場内にはいるとピンと張り詰めた空気に迎えられた。講習を受けているのは森山桂さん(39才男性)ともう一人は本郷倫恵さん(32才女性)の二人。彼等は社長の島田真嘉さんを師匠と呼んでいる。そこにもネオン技術の習得に対する意気込みが感じられた。
 私が一番に質問したのは、何故今ネオンなのか、どうしてネオンに興味を持ったのかと云うことだった。
 森山さんはもともとグラフィックデザイナー、「グラフィックの延長のなかでパソコンとは違う素材やツールを見つけているときにネオンと出合い、シマダネオンの門をたたきました。まだ始めて二年くらいですが、ネオンは奥が深いです。それに二年とはいえ土曜日だけですから、普通に入社して二年経った人とは全然ちがいます、まだまだです」といいながらも真剣に実技に励んでいる。


  一方本郷さん、「私は82年生まれですけど80年代の映画が好き、音楽も好き、そのころの海外のアーティストはネオンをたくさんつかっているのでいいなと思っていました。就職してCM制作会社にいたときにあるアクリル工房に打ち合わせにいったんです。するとその会社の壁にネオンが掛かっていて、うわぁいいな、自分の部屋にこんな風に気にいったネオンを置きたいと思ったのです。その後、会社を変わってもその思いが離れず、とうとう全日本ネオン協会に電話をして、田中理事に島田さんをご紹介いただきました。でもネオンがこんなに難しいと思っていませんでした。今、L-の字を曲げる練習をしていますがまだ半年なので、師匠みたいに毎回同じように出来ない。でも私の部屋に自分がつくったネオンを飾るということが夢なので、がんばっています。スマホにinstagramというアプリがあるんですが、それでネオンを検索するとこ〜んなにたくさん可愛いネオンがでてくるんですよ。こんなのを自分の部屋に飾りたいと思っているんです」そう言いながら彼女はスマホでさまざまなネオンのオブジェを見せてくれた。思わずいいね!としたいくらい、世界中の楽しいネオンが簡単にスマホで見ることができるのだ。それもまた目からウロコの驚きだった。
 一方、森山さんは「これなんだかわかりますか?これにネオンを組み合わせてサインを作りたいと思っています。これはスケートボードの使い古し、この独特な形をネオンとコラボレートさせて新しいサインをつくってみたらどうかと思っているんです。使い古したボードはただでわけてもらえるし、きっといいサインができますよ」と新しいアイデアも。二人とも目を輝かせてネオンを語ってくれる。そんなふうにネオンを熱く語る若者にであってとても楽しいインタビューであった。それに二人を指導するシマダ師匠の嬉しそうな目、その気持ちがわかる気がした。


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