面白ブックレビュー

 
フォトアーカイブ ─ 昭和の公団住宅
編者:長谷田一平(団地ジャーナリスト) 智書房 刊
 「降る雪や明治は遠くなりにけり」と言ったのは愛媛県出身の俳人中村草田男。彼は降りしきる雪の中にいると、時と場所が空白になり明治が遠くに近くに感じられたそうだが、この本を見ると「昭和も遠くなりにけり」と思わせる。 
 公団住宅がどんどん建築されていた頃は高度成長期で、右肩上がりの未来がきらきらと輝いて見えたものだった。現在の、ともすれば自信がなくなりそうなこの時代、ヴィヴィッドに生きるヒントを与えてくれる、そんな本である。
関東甲信越北陸支部 C.I.


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