表紙によせて─11

 

「いつか見たネオンサインG」

  浅井愼平


「ハバナは音楽を通じて身近だったんだ」
とぼくは振りかえり云った。
「そうなんですか」
鬼太郎がマラカスを鳴らした。
「そりゃあ、そうだろう昔はキューバは遠かったしさ」
「遠いから音楽にもロマンがあったんですね」
窓の外のネオンが瞬いた。
「あのネオンはハバナから持って来たらしいよ」
ぼくは窓を指さした。


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