表紙によせて─11

 

「いつか見たネオンサインI」

  浅井愼平

 
 風が吹いてきた。遠くで雷が鳴っている。
 陽がかげりビルディングに灯が点りはじめた。「オーケー。今日はおしまい」
 モデルのマギーにぼくは声をかけた。
 マギーは片手を上げ笑顔を送ってきた。
 「マギー、ごめんそのネオンサインの下でもう一枚」
 輝き始めたネオンにカメラを向けながらぼくは言った。


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