最前線シリーズ

 

2016年はVR元年!

(株)マスコミ文化協会 川崎玲美
 
 VR元年とも言われている2016年。今年は、様々な場所でVRを使ったプロモーションやイベントが行われました。VRとは「バーチャルリアリティ」の略語で、人間の感覚器官に働きかけ、現実ではないが現実のように感じられる空間を人工的に作り出す技術のことです。多くの場合、「VRヘッドセット」と呼ばれるゴーグルを着用し、映像や音、風などの効果により、バーチャルの世界への没入感を生じさせます。
 今回は、今年実際に行われた事例をふたつ紹介します。

空中都市を駆けめぐる!
テーマパーク型街頭イベント

 5月29日に、東京競馬場で行われた「第83回日本ダービー(GI)」の開催に先立ち、5月23日から29日までの7日間、新宿島屋1階JR口特設会場において、“ダービーの歴史と伝統が集う競馬エンターテインメントの城”をコンセプトにしたテーマパーク型街頭イベント「THE DERBY CASTLE」が開催されました。
  手のジェスチャーでコンピューターの操作ができるデバイスを活用したゲームなど、様々なアトラクションがある中、特に注目を浴びていたのが、飛行型競馬アトラクション「サラブレッド・ザ・ライド」です。これは、VRヘッドセットを着用して馬型のブランコに乗り、空中都市の世界に移設された東京競馬場を空飛ぶ名馬で駆けめぐることができます。3D映像による視覚と聴覚だけでなく、揺れや風、水しぶきなどで五感を刺激されるため、とてもリアルに感じた迫力満点のアトラクションです。馬型のブランコは足がつかないため、本当に空を飛んでいるような感覚がし、会場では多くの来場者が絶叫しながら、空中の競馬を楽しんでいました。


表参道から恋のパワースポットへ瞬間移動!
  10月28日から30日までの期間には、 生活家電・美容雑貨等の企画、販売を行う(株) l-neが、自社ブランド「BOTANIST」の新商品「ボタニカルボディーソープモイスト」の発売 を記念して、表参道にある「COMMUNE246」 にて、VR技術を使った体験型イベント「NEW PRODUCT LAUNCH PARTY“恋のトンネル”を体験しよう!」を開催しました。
 同イベントでは、VRを使い、ウクライナにある「恋のトンネル」で、美男 or 美女とのデー トが体験できました。このトンネルは、映画「クレヴァニ、愛のトンネル」の撮影場所として有名になり、“恋人と手をつないでトンネルを歩けば、必ず願いが叶う”というジンクスがある、 世界中から恋人たちがあつまるスポットです。 しかし、秘境とも言える、アクセス困難な場所で、実際に行くにはハードルが高いそうです。そこで、VR技術を使い、表参道にいながらにして、恋のトンネルに行くことができるようにしたそうです。コンテンツは、美男と美女の2種類が用意され、男性の参加者は美女、女性の参加者は美男とデート体験ができました。
 
 私は、美男とデート体験をしてみました。VRヘッドセットをつけると音も聞こえます。美男の「上を見てごらん」、「線路があるね」などのセリフにつられ、自然とあたりを見回すことができ、さらに、線路のレールの上を綱渡りのように歩いて、グラグラと視界が揺れるなどの演出もあり、VR技術が最大限に引き出されていたと感じました。また、体験ブースは、新商品のボディーソープの香りが漂っており、しっかりと商品の宣伝も行っていました。
 このようにVRでは、様々な体験を行うことができます。他にも、不動産や結婚式場、ライブ視聴など多様な活用方法があります。VRヘッドセットというと、とても大掛かりなようにも感じますが、ダンボールと自分のスマートフォンを組み合わせて使う簡易的なVRヘッドセットもあるため、今後もさらに普及していくのではないかと思います。

 さらに、今年の6月には、(株)ソリッドレイ研究所が、バーチャル体験を複数人同時にできる製品「オメガシップ」を開発しました。今まで、VR空間を共有することはほぼ不可能だったため、この製品により、VRの幅がさらに、格段に広がるのでないでしょうか。



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