面白ブックレビュー

 
「風の物語」
星野道夫 阪急コミュニケーションズ
 昨年は写真家星野道夫が不慮の事故で亡くなってからもう20年にもなる。だからテレビでもこの人にかかわる番組がいろいろ放送された。この人の写真はいつ見ても新鮮だ。こんなカットがよくも撮れたものと感心させられる。広大無辺の風景の中によく見るとムースやグリズリーやカリブーなどが小さく写っていることが多い。写真の説明はなく、ときどき自然や宇宙を見通した哲学者のような言葉がはさまれる。
 この人の死は偶然ではなく、必然だったのではないかと思えてならない。奥さんの星野直子さんの文章も心に滲みる。彼女の「星野道夫と見た風景」(新潮社)もお勧めです。


Back

トップページへ戻る



2017 Copyright (c) Japan Sign Association