リポート

<青森県広告景観ガイドラインの制作報告会より>
青森県の魅力を次世代へとつなぐために屋外広告物ができること
関東ネ協 広報委員
 
 青森県屋外広告物ガイドラインの策定に伴い、業務委託を受けた公益社団法人日本サインデザイン協会(SDA)では、8月9日にその制作報告会を、中川ケミカルの本社会議室において開催しました。これらの策定に大きく係わられた講師、宮沢功氏(SDA常任理事)と、武山良三氏(SDA副会長)のお二人による解説でガイドラインの基本方針がひもとかれ、豊富な画像を中心に詳しい説明がありました。



 青森県には地域シンボルとなる山並み、青く広がる海、広大な田園などの豊かで美しい自然景観を中心に、賑わい溢れる観光地や市街地など様々な景観が広がっています。これらの景観は、歴史風土や伝統を引き継ぎながら地域のまちづくりが育まれており、屋外広告物とも深く関わり合っています。そのためそういう地域資源を守るために屋外広告物の制作において細かい配慮が盛り込まれています。
 青森県では屋外広告物条例により、屋外広告物の表示や設置についてのルールをつくり、必要な規制を行っています。また主たる青森市、八戸市および弘前市についてそれぞれ「青森市屋外広告物条例」、「八戸市屋外広告物条例」、「弘前市屋外広告物条例」が適用されていますが、ガイドラインではより具体的な提案がされています。
@山麓に広がる広大な平野の生活風景をいかすために、豊かな田園・果樹園を見渡せるように広い視界を確保する、背景となる田園・果樹園を美しく見せる色彩計画するために、〇設置数を抑える、〇表示面積を抑える、〇高さを抑える〇隣り合う広告物の高さをそろえる、〇設置位置と設置向きをそろえる、という提案。



A壮大な山並みや海岸線への清々しい眺めを守るために、〇眺望方向に広告物を設置しない、〇高さは山並みの高さを意識する、〇眺望を阻害しない等の提案があります。そのほかに
Bまちとまちを結ぶ、都市の背骨となる広告景観をつくるために、〇スカイラインを整え隣り合う広告物とのバランスを保つ、〇道路の幅員に応じて大きさを整える、〇高さをそろえる、〇プロポーションをそろえる、〇設置間隔を充分に確保し、設置位置をそろえる、〇見通しをよくする、など具体的なガイドラインもあります。



 その他たくさんのガイドラインがありますが、特に重視されているのが町の生活、文化、賑わいの広告景観、観光地、観光ルートの広告景観、地域の特性を発信するために個性を生かしたまちづくりへの取り組みなど県外の事例も併せて紹介されていて、一方的な押しつけガイドラインではなく、青森を愛する人が、そうした方がよりよい郷土をつくることが出来ると考えさせる、そんなガイドラインになっています。


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