リポート

目指せ!ネオンの伝道師
関東甲信越北陸支部 (有)コーワネオン 佐々木康則
 
 東京藝術大学ガラス造形研究室からネオン製作現場の見学依頼が協会事務局にあり、当社を紹介して頂きました。後日その研究室のT先生から連絡を貰ったのですが、ん?どこかで聞いたことのあるような名前。なんと十数年前に私がガラス工芸の教室でネオンの講師をしていたときに一緒だった先生ではないですか!懐かしいという思いもあり、早速見学会と行きたいところでしたが、お互いの予定がなかなか合わずに気付けば半年が経過していました。
 後日分かったことですが、ガラス工芸教室で私の一番弟子だった子が後に先生になり、更にその教え子が藝大に入り、今回のネオン曲げ見学一行に加わっていたのです。ちょっと複雑な関係ですが、運命的な再会に喜びを感じた次第です。
 さて、ここからはようやく昨年11月に開催となったネオン曲げ見学会の話に移ります。藝大の研究室が千葉にあるということで、柏市でネオン業を営む光織灯さんの工場をお借りして生徒8名の体験型教室という場を用意しました。ネオンマイスターである佐々木社長にもご協力を仰ぎ、社長の曲げ実演に私の解説を入れるというダブル佐々木の連携で約半日の授業が進行しました。
 まずは高圧によるネオンの怖さを知ってもらい、続いて二極ネオンと一極ネオンの仕組みの違いを説明し、最後に体験でマウスピースを実際に作ってもらうプログラムを用意しました。このときネオン点灯の仕組みを素早く理解してもらうのに、昔協会で作ったパンフレットが役に立ちました。二極ネオンは我々が普段よく扱うものですが、吹きガラスのようなものを光らせるには一極ネオンの仕組みを応用する必要があります。
 ネオンの仕組みだけでも半日で理解することは難しいと思いきや、意外にも飲み込みが早く、しかも曲げのセンスも高く、こちらが舌を巻くほどでした。さすがはガラス造形のエキスパート集団です。
 最初は教えたことが伝わり理解されるかどうか不安でしたが、終わってみればとても有意義な時間を共に過ごすことができたと思います。吹きガラスのような造形とネオンの組み合わせで素晴らしい作品が生まれることを私は過去の教室を通して知っています。ですから研究室の皆さんには是非是非ネオンをある程度マスターして自身の作品を創り上げてもらいたいものです。研究室にはネオン製作設備がないので、作品を仕上げるにはこのような教室を何度か開いて教えなければなりません。
 今回の不思議な縁を大切にして、もう一度ネオンの伝道師になろうかなと、次回の講義についてあれこれ思い描いています。


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