ちょっとヒント・うちの会社では

 
看板屋さんのドローン活用
    中国支部 (株)しみず工房 清水 激

 最近何かと話題な「ドローン」。主にニュース映像などテレビの中のものと考えている方が多いのではないでしょうか。では、看板屋でのドローン活用方法とはどういったものだと思われますか?
 ぱっと思い浮かべるのは、出来上がった看板の空撮くらい?
 しかし看板の多くは、地上からの視認性が重要ですから、それだけでは地上からの撮影に取って代わるものとは成り得ないでしょう。当社でもドローンの活用需要が、看板分野で最初に発生した訳ではありませんでした。

〜まずは太陽光発電設備から〜
 当社では、看板の制作業務の他に、発電設備の施工をここ十年程やっておりました。初期はパネルメーカーが、生産する純正部品の規格に合う建築物に取り付けると言う、素直な案件が多かったのですが、しばらくすると状況が変わります。
 屋上の日当たりは良いのに建築物がメーカーの想定外の構造をしており設置できない…など、バラバラな年代の様々な構造の建物への設置の需要が増えていき、また壁はともかく屋根には穴を開けたくないという要望も多かったのです。
 つまり、既設の建物に何らかの構造物を後付するという、看板屋のノウハウが役に立つ状況になっていきました。
 ところがここで問題が起きました。パネルメーカーも販売会社も、オーナーすら設置のための調査も完成状態のイメージも難しかったのです。
 当社では、主に陸屋根での発電設備の設置をしていましたが、平たい屋根の上とはいえ様々な障害がありました。真四角でない建物、室外機、後から建てた倉庫、外周に手すり、縦横無尽の配管、時には放棄された看板。
 ここで、ドローンの出番でした。まず建物を真上から空撮し測量。更に150m上空から周辺の町並みも含めて空撮し、詳細な大型クレーンの進入・設置場所の検討と届出に活用。 時にはビルと発電設備の合成写真を作成し、各々抱く設置イメージの摺り合わせに活躍もしました。看板分野でも完成イメージの統一が大切である事は、経験のある方も多いでしょう。


〜看板メンテナンスでの需要を見込む〜
 ドローンを使用してみて分かったことは、想像以上に細かい操縦が可能で、ピントの合った高画質(4K)の撮影が可能であること。ラジコンヘリと違いホバリングが自動なので、高所の構造物へ近寄り、じっくり撮影が可能だったのです。
 また最近では、建築物の外壁を非破壊検査可能なセンサーを搭載したドローンも登場してきています。
 現代の看板屋は設置だけが仕事ではありません。高度経済成長期増えに増えた看板は、老朽化し、メンテナンス・撤去の必要性が高まっています。看板の取り付け箇所は自立式ならば高所作業車によってメンテナンス作業が可能ですが、予算の問題や壁面看板であったり、設置後、新たなビルが建ち作業車が据え難い状況もあります。梯子での作業とするにも作業員の危険が伴います。
 そんな中、屋上建屋に設置された壁面のネオン看板の修理の依頼が発生しました。
 川沿いの建物で道幅も狭く、吊り下げ式の梯子はあるものの人力での移動式で、故障箇所は不明。試しにドローンを使ってみようという話になります。
 操縦者はリアルタイムで撮影画像を確認できます。撮影し故障箇所を特定。建屋の上の作業員に伝えて梯子を下ろして修理するという、作業員の安全と安価なメンテナンス作業がドローンによって可能になりました。
 今回は看板分野でのドローン活用の可能性について紹介させて頂きましたが、如何でしたでしょうか。


  実際のビジネスシーンでは、精密な操作や高画質な撮影が必要な場合は大型のドローンが必要になって来るでしょう。その際必要な許可や申請を必ず行ってください。専門家に依頼しても構いませんが、自力でやれるように、数々のサポートが日々増やされています。もしご興味がありましたら、是非ドローン空撮の世界に飛び込んでみて下さい。



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