青年部コーナー

 

力を合わせて

  関西支部 (株)生駒工業所 高橋 亨


 毎日の仕事に追われながらも続けているスポーツがあります。綱引きです。
 一般に綱引きと聞くと学生時代の運動会など多人数で引き合うのを思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか?私が続けている綱引きは体育館の中で行い、8対8、制限体重600kgとルール付けされているインドアの綱引きです。昔TVなどで女性の方がプロレスラーなど相手に引いて勝ってるのを見た方もいらっしゃると思います。
 私の住んでいる奈良県広陵町はかぐや姫伝説と靴下の町(靴下屋の本社工場)そしてスポーツの盛んな町でもあります。綱引き競技をはじめるきっかけは、息子の卓球の練習を見学しに体育館へ行くと、 「まだまだ!もっと低く。」 「今や!いけいけいけ!」父親ぐらいの年配の方6人で大学生8人に引き勝ちしてる様子を見てなんやこれは!?と、衝撃を受けてハマりました(笑)。
 私の仕事は屋上広告塔の下地鉄骨などの製作をしており、普段から力仕事をしている事もあり自信満々に年配の方と1対1で引き合いをさせて頂きましたが何故か引けない!?反対にジリジリと引かれて完敗でした。レジェンドの方曰く、腕力でなく特に下半身の脚力と体幹、また経験も重要との事。上半身は背中の肩甲骨が真ん中でつくように胸を張り、みぞおちを上げるような姿勢が基本となるので皆さんの姿勢は素晴らしくきれいです。
 試合は時間無制限。長さ36mの綱の真ん中より左右に2m離れた位置から選手が8人並んで引き合い、4m引ききった方が勝ちというシンプルなルールです。ちなみに選手8人の牽引力は4〜5両編成の列車を移動させる車両移動機の力とほぼ同じであるとの事。トップレベルチームの牽引力ともなると11760N(1200kgf)と言われています。力が互角だとしばらくこう着状態で微動だにしないこともしばしばあり、攻めるか耐えるかは監督と一番後ろのアンカーが相手の状況や綱の具合から判断して指示を出します。
 綱引きは先の見えない頭脳戦、心理戦でもあり何が起こるかわからない面白さも醍醐味と言えます。みんなの息が合わないと中々後ろへ引くのは難しく、1人でも無理な力で引くとバランスが崩れる。チームワークが大事な仕事に通ずる所も多くあると思います。社長や同僚からは「仕事で鉄骨をもってから綱まで引いてドMやな」と良く言われます(笑)。
 綱引きを一緒にしている方は30〜60代が中心で役場の方、建築士、消防員、保育園の副園長さん、車の整備士、ウェブデザイナー、色々な業種の方たちと綱引きだけでなく、ミーティングという飲み会、体力向上のための登山や奈良マラソンへの参加など、学生時代のクラブ活動のように楽しいから続くんだと思います。年齢を問わず活躍できるスポーツ綱引き。こうしたチームは全国にあります。綱引きなんて懐かしいという方や、綱をめぐる駆け引きに興味がある方は一度試されてはいかがでしょうか?



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