リポート

『横浜サイン展』でネオンの魅力を紹介
関東甲信越北陸支部 (株)東京システック 小野利器
 
 横浜市では市内の魅力ある景観をつくる屋外広告を『横浜サイン』と呼び、パネル展や基調講演により積極的に広めるという、全国でもユニークな取組みを進めている。2013年から始まったこの取組みは今年で6回を数える。これまでは市民から公募した「横浜サイン」の写真を展示していたが、今年は趣向を少し変え、ネオンサインをテーマにした展示イベントが開催された。横浜赤レンガ倉庫と大さん橋の間に位置する象の鼻パーク内のテラスを会場とし、3月1日から6日間、公園に遊びにくる人々がしばし展示に足を止めていた。
 横浜といえば、開港の歴史や米軍基地が近いことからネオンを灯した店舗が多い。ランドマークタワーの下に位置するハードロックカフェの巨大サインは存在感抜群。ホテルニューグランドはネオンサインによってクラシカルな雰囲気を漂わせている。本牧町あたりはネオンの似合う渋いバーが点在し、ついはしごしたくなる。そんな魅力漂うネオンサインの写真がパネル展示と小冊子で紹介された。写真は天井から一枚ずつ吊り下げられ、裏面はミラーになっているので、色々なものが写り込んで不思議な展示空間となっていた。
 そんな横浜市の取組みに以前から協力をしているのが神奈川県広告美術協会の皆さん。写真の撮影は夜に限られ、しかも一軒一軒オーナーの許可をもらいながらの交渉には苦労されたことだろう。きっとお酒を飲みながらの取材だったであろうと想像するといささか羨ましい気もする。
 今回は企画段階でネオンサインをテーマにするという情報を得ていたため、関東ネ協としても一部協力を願い出た。ちょうど昨年横浜で日サ協50周年記念パーティーが開催された時に、記念撮影用にネオンオブジェを制作したので、それらをお貸しすることにした。主役はあくまで横浜市内のネオンサイン風景なのだが、実物も展示したほうが華やかだし、記念撮影には丁度いい。特別に横浜仕様に作り替えた。
 ネオンというものは、その演出効果が発揮されるのは夜間のみである。しかし「横浜サイン」として街の魅力をぐっと引き立ててくれ、どことなく懐かしさも与えてくれる存在であることは既に多くの市民が感じているようだ。そのことをあらためて確認できた良い催しであったと思う。
 さて、ひと仕事終えたことだし、ネオンの灯るお店で関係者の打ち上げでもしましょうか。


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