面白ブックレビュー

 
「定本 黒部の山賊 アルプスの怪」
伊藤正一著 山と渓谷社
 終戦後の昭和20年ごろ、3000mを越える山々が連なる北アルプス黒部源流の地は山賊が出ると噂され、一般人が容易に踏み入れることのできない無法地帯として恐れられていた。三俣小屋の権利を買い取った著者は、山賊に占拠された小屋に向かうため恐る恐る山へ踏み込むのだが…。
 伊藤正一氏は北アルプスの登山道整備に生涯を掛けた人物であり、山賊と呼ばれたマタギたちとの交流を綴った本書は、山岳書のなかでも名著の一つに挙げられる。山奥の秘境という非日常で実際に起きた(?)怪事件や不思議現象などの話は、登山を趣味としない人にも大変面白く読め、是非おすすめしたい一冊である。
関東甲信越北陸支部 ブックロー


Back

トップページへ戻る



2020 Copyright (c) Japan Sign Association