面白ブックレビュー

 
「全国の犬像をめぐる 忠犬物語45話」
青柳健二著 青弓社出版
 偉業をなした人物が銅像となって称えられ、偲ばれることはしばしばあるが、犬もまたしかり。誰しも知っている有名な犬像といえば渋谷駅の忠犬ハチ公や上野の西郷隆盛の愛犬だろうか。南極基地に取り残されて生き延びたタロ・ジロ像も伝説的な話と共にある。
 犬はかしこく人間に忠実であるが故に、古来伝説や史実に多く登場し、神仏として祀られることもある。遠出のできない主人の代わりに遠路お伊勢参りの旅をした“おかげ犬”の話はにわかに信じがたいが、その逸話に因んだ犬像が各地に存在することは事実である。
 そのほかにも人間の生活をサポートしてくれる盲導犬、警察犬、消防犬、救助犬、セラピー犬などなど、その偉業が称えられ犬像として祀られることもある。そんな45話が写真と共に紹介されているのが本著である。
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