Vol.44
 
 屋外広告調査年内に報告書発表 

 昨年来進めてきた本邦初の試みである屋外広告効果測定調査はいよいよ大詰めに入り、この程屋外広告効果調査委員会及び屋外広告効果調査実施委員会との合同会議が開かれ、「報告書」のまとめ作業にとりかかった。合同会議は11月4日(火)午後2時から銀座東部ホテル「芙蓉の間」で行われ、オブザーバーとしてこの事業に助成する東京都労働経済局商工振興部流通産業振興課から七野一也係長と黒井尚子担当官が同席した。 小林太三郎本委員長(埼玉女子短期大学学長)の開会の挨拶につづいて、調査機関である(株)ビデオリサーチ社から、報告書(案)の詳細説明がなされた。追加調査として銀座及び池袋の2地点での「スポット調査」では、逆方向の調査地点のため、一部媒体に対する認知度に変化が見られた。今回の調査による、屋外広告効果の特性としてはSSL効果が指摘された。Sはスケール効果(屋外広告には大きなものが多く、存在感を感じさせる )。つぎのSはサブリミナル・反復浸透効果(繰り返し見ているので記憶に残りやすい、無意識のうちに見聞きしている)。Lはランドマーク効果(目印にする、都会らしさ、を感じる)の3点である。 このあとの各委員から出された意見をもとに、報告書企画構成(案)を固め、次回合同会議(11月28日開催)にかけたのち、作成にとりかかる。この結果、12月をメドとし、出来次第業界内外関係者に対する説明会を開く運びとなっている。
 
 広告景観の良い街は「萩窪」 東京屋外広告協会で「景観ウオッチング」 
 (社)東京屋外広告協会は都内18箇所を対象に屋外広告物と都市景観ウオッチング」と題するレポートを発表した。この調査は日本ジャーナリスト専門学校の学生30名が街角で行った観察と通行人からの聞き取り調査をもとに、消費者から見た屋外広告物と各街並みを分析したもの。広告物が氾濫していると感じる街ナンバーワンは神田、建物と調和していない街でも第1位だった。これにつづいて六本木、渋谷、蒲田などの順になっている。一方、建物と調和している街としては、王子、萩窪、五反田となって おり、中でも萩窪は広告景観全体の感じがよい街の第1位となっている。屋外広告は役立っているかに対して、「役立っているか」(27%)「少し役立っている」(56%)を合わせると、8割以上の人が有用性を認めている。役立っている種類は、壁面広告が約半数、次いで電光板、屋外広告を挙げている。これに対して、不快に感じるものは電柱などの貼紙、金網や柵に付いた違反広告物をあげている。地域別では、六本木と池袋で多く指摘され、このほか、一つの建物にいくつも広告がつけられていることに不快さを感じている
 通行人インタビューでは「もっとスマートな広告を」「ピンク広告はやめてほしい」「捨て看板強く取り締まってほしい」「街との調和を考えてほしい」「看板が汚い、壊れている」など、違法広告物に対しての鋭い批評が出ている。
 
 第6回屋外広告士試験東京・大阪・福岡で485名受験 
 建設大臣認定の「屋外広告士」第6回試験が10月19日(日)東京・大阪・福岡の3会場で実施され、485名が受験した。会場別では、東京(三省堂文化会館=278名)、大阪(関西大学第6校舎=151名)、福岡(福岡商工会議所=56名)。当日は午前中、広告デザイン、広告景観、関係法規の学科の学科試験A, 午後からは設計・施工の学科試験Bと設計デザインの実技試験が行われた。実技のデザインは、プール、運動機器を備えた市民スポーツ館の正面入口に掲げる記念サインをデザインする問題。サインにはオリジナルなマークを考えて加えることになっており、従来より創造力が問われる内容となっている。合格発表は平成10年3月上旬で、なお第7回試験については、明年6月1日から案内書を交付する。
 
■ 30周年記念誌掲載の座談会開催 

 協会30周年記念事業の一つである記念誌に掲載するため、設立当時の役員経験者などによる座談会が11月4日(火)銀座東武ホテルで行われた。高村五郎名誉会長以下、萩尾眞通相談役、岩井義則元理事、左氏亨(有)三新電業社会長、清水義数(株)清水電業社会長に、廣邊会長、喜多河副会長、天野花江前事務局長の面々。社団法人取得化当時の苦労話から協会基金の設定、ネオン工事技術試験及びネオン工事資格者講習の実施など30年ににわたるエピソードをそれぞれ語りあった。協会活動の一線を離れて、久し振りに顔を合わせた方々が、お互いの無事息災を語りながら、積もる話をしばしかわしあった。なお、機関誌にはこのほか若手委員を中心とする座談会を企画し、近く開催の予定。
 
■ カナダのネオン事情がテレビ放映 
 さる10月25日(土)NHK第一衛生放送「BSドキュメンタリー」で、カナダテレビ制作の「ネオンの華麗な世界―広告からアートへ」が放映されました。内容はカナダ・バンクーバー市の目抜き通りを中心に、1940年代からはじまるネオンの屋外広告全盛期を経て、1960年代には都市美観と自動車交通に対する疎外要因として撤去、規制強化がはかられたが、最近は都市財産としての見直し、ネオンアートの興隆が起こり、新たなネオンサイン時代を迎えているというもの。番組にはネオン制作者、建築家、ネオン保存活動家、ネオンアーティストが登場し、それぞれの立場からネオンサインについての位置付けをコメントしている。協会事務局では、録画ビデオを保管しており、放映希望の全員に対しての便宜をはかっている。
 








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