第2回「世界サインサミット」会議概要

事務局長 加藤保弥
 
[写真] 向かって右から、吉野禮之全ネ協理事、廣邊裕二全ネ協会長、ジョセフ・リックマンISA会長、マーク・ラッペンISA事務局長、ジョン・ジョンソンISA次長  ISAサインサミット会場にて
 

 昨年に引き続き開催された第2回「世界サインサミット」に、廣邊会長、吉野理事に随行、出席した。前回に比べ出席者数、代表国数とも減少し、「世界サインサミット」の名称はいささか羊頭狗肉の感があるが、関係者の協力で、今後、より充実した内容の会議となるよう期待する。 以下、会議の概要を報告する。

  1. 開催場所:米国ネバダ州ラスベガス市、ラスベガスコンベンションセンター
  2. 開催日時:2001年3月21日(水)8:00−13:00
  3. 出席者:米国9名、カナダ2名、英国1名、アルゼンチン3名、韓国1名(他に通訳1名)、日本3名、ISA事務局2名 合計21名(他に通訳1名)。
  4. 開会挨拶:ジョン・ジョンソン(ISA事務局次長)
    (1)今年のサインエキスポは世界96ヵ国の出品、25,000人以上が来訪予定。
    (2)昨年は、欧州電飾サイン連盟総会がオーランドで開催され、米英両国の業者がアイデアの交換を行う上に役立った。ISAでは、近くサインの評価マニュアルを出版する、また公共の安全を促進する活動を展開し、技術研究関係ウエブサイトをスタートさせる。
  5. 基調講演:ダレック・ジョンソン(米国「サインズ・オブ・ザ・タイムズ」誌編集長
    ) (1)米国経済は、年末から年初にかけて景気減速。グリーンスパンFRB議長の果敢な利下げ措置で経済はリバウンドの状況。
    (2)経済の国際化は、B777エアバスの部品が、今や世界545の企業から供給されている一事を見ても容易に理解できる。
    (3)現代は、政治的な要因が直ちに経済に影響する時代。世界政治の安定は、世界経済の発展に不可欠の条件。国境を超えたトランスナショナルな取引が世界をより豊かにしている。世界平和こそがビジネスの平和をもたらすものである。
  6. 各国代表発言

    ジョゼフ・リックマン(米)
    (1)本年度の会長に就任した。 (2)@APAプロジェクト(American Planning Association)では、MUD(Mixed Used Development)、即ち工業地帯、住宅地帯、商業地帯の3つのファンクションを混合した生活地帯という考え方が出てきている。
    (3)各地でISAが関係するエキスポが開かれる。4月18−20日中国(北京)5月9−12日ブラジル(サンパウロ)7月4―7日アルゼンチン、9月1日−ドイツなどの予定。

    ウェイド・スワームステド
    (米、「サインズオブザタイムズ」誌)
    (1)インドではサインメーカーは2社のみであとは、代理店、販売店が業界を構成。
    (2)業界は7年ぶりに下降傾向。レストラン看板なども減少傾向。

    アンヘル・ディプラシド、フリオ・モンセク、ベルナルド・ルビオ(アルゼンチン)
    (1)アルゼンチン看板業界は史上最大の危機。主要都市で看板は「視覚公害」、「交通事故」の元凶であると集中攻撃を受けている。
    (2)「視覚公害」によって入院したと言う事例は皆無であり、ハイウェイ警察の公的レポートでは最も多くの事故が生じた道路から視認できる看板は皆無だった。
    (3)出席者の自分たちの抗議活動への支援をお願いしたい。
    (4)インターネットを利用した研究成果の国際レベルでの交換を提案する。
    (5)サイン業を一般学校、大学などのカリキュラムに繰り入れると共に、業界が積極的にこれらの施設での講義、セミナー等を実施すべきと考える。

    廣邊裕二(日本)
    (1)2000年の日本の広告費は、日本経済の回復を受けて、前年比7.2%増と、3年ぶりに増加。但し、屋外広告は前年比98.8%で、4年連続で前年実績を割りこんだが、本年度は回復するものと期待している。
    (2)技術成果や事業上の問題点をISA会員相互で交換するシステムを作ることは、大変意義がある。
    (3)サイン業界は、アルゼンチン代表の発言にもあるように、常に政府、地方自治体との間で規制に関して緊張関係にある。各国代表が、それぞれの国の問題を持ち寄ってお互いに議論を深め、その結果を宣言にまとめては如何。
    (4)東京都では、昨年からバスの車体広告が解禁になり、現在都バス約1,800台が、車体にラッピング広告を施されて、都内を走り回り、市民の間で議論がなされている。

    ジェリー・ライトハウス(世界サイン協会)
     世界サイン協会は(WSA)、1947年エレクトリックサインメーカー、部品供給業界のリーダーで設立された。本部はコネチカット州ウェストミンスター。現在会員数200社。

    ニコラス・ピアース(英国
    (1)今回、ISA理事に選出された。米国以外から選ばれた唯一の理事として、非米国会員の声を代表できるよう努力したい。
    (2)欧州電飾サイン連盟は、傘下に英国サイン協会、フランスサイン協会、ドイツサイン協会を擁する。
    (3)3カ国間で、言語問題がある。10年前から欧州電飾ネオン電気標準(European Standard of Illuminated Neon)が存在している。

    ヒュン・ソー・キム(韓国)
    (1)フレキシブル・アクリルシートが主流になっている。
    (2)金政権はサイン・屋外広告についても規制を強化。
    (3)注文が減り、競争は過熱状態。
    (4)韓国広告業協会は現会員数5,000。

  7. 閉会・次回ミーティング

 時間切れで、準備されていた四つの議題 @規制問題 A揮発性有機化学物質 B水銀の処理問題 C資材の再利用 については議論が進まなかった。

 2002年のISAサインエキスポは、同年4月4日(木)から6日(土)までオーランドで開催の予定。第3回「世界サインサミット」は、この期間に、同地で開催する。

 

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