点滅希

 
 深夜作業  
    

 市街地で大型サインを取り付ける場合、深夜作業が多くなった。国道や駅前等では時間に限りが生じる。午後零時から6時迄が常識。道路占用許可申請を警察へ。それが国道であれば建設省へも届けがいる。ここ迄はスポンサーもすんなり了解が得られる。しかしそれだけでは済まない。重機を伴う作業は騒音がつきもの。近隣者の承諾を取り付けなければならない。町内会によってはその夜間作業にクレームを付ける所があるから難儀である。
 「何処の許可書を見せようが安眠妨害を犯してもいいとは書いていない」と、言う。町内の人をホテルへ泊める等対処するのであれば考えてもいい、と難癖をつけてくる。発注者にはご理解頂けないアイテムである。一度だけ設置先の支店長を伴いお願いに行った。ところがけんもほろろ、支店長様は尻尾を巻いてご退散。私はとうとう居座りを決め込んだ。こともあろうに肉屋さんが町内会長。閉店後肉切包丁を二本も持ち出し「人は牛よりさばき易い、覚悟はええか」「どうぞ」「よしそこを動くな」言うなりずぼっ。うむ。気が付くとそれは刃でなく柄の方。やっとOKが出た。手足諤々。

(忠)

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