ほっとコーナー

味自慢・酒自慢 東京の洋食屋さん
関東甲信越支部 アオイネオン(株) 横山 巖
 

 東京の下町には明治大正に創業というような老舗の洋食屋さんが何軒も残っています。昔々日本に洋食が入ってきた当時、先取の精神旺盛な料理人がハイカラな洋食屋さんとして始めたものがルーツでしょう。
 この「洋食屋さん」には共通する点がいくつかあります。これらを観察して「東京の洋食屋さん」を定義してみましょう。
 まずメインのメニューは、「メンチカツ」「ポークカツレツ」「カレーライス」「オムライス」「ビーフシチュウ」など今では庶民の味となったものばかり、そしてデミグラソースが売りものということ。そしてたいてい盛りがいいです。
 屋号は「・・・亭」「・・・軒」「キッチン・・・」「グリル・・・」であることが多い。インテリアはかつてのハイカラが今やレトロで、それがまた魅力になっています。
 価格的には幅がありますが、下町イコール安価とは限らず、かなり高めの店もあります。とは言っても、今はやりの高級フレンチほど高価ではなく、敷居の高さや作法に関する不安感を持たずに楽しめます。もちろん安価で大衆的な店もあります。
 「予約は受けない」「クレジットカードは使えない」というのがほとんどです。創業の「先進性」に反すると言われそうですが、そうではなく先進性を持って生まれた「当時のスタイル」をひとつの完成品として、そのまま守り伝えているのだと思います。

 参考までに評判の店をご紹介しましょう。 
資生堂パーラー(中央区銀座)
 日本の洋食元祖。今や高級レストランになってしまい「洋食屋さん」とは言えないが、一番人気はカレーライス。
煉瓦亭(中央区銀座)
 銀座を代表する洋食屋さんでポークカツレツが人気の行列店
香味屋(台東区根岸)
 かみやと読む。創業77年の老舗。メンチカツが絶品の最高級洋食店。財布にゆとりを持って行くべし。
三河屋(港区西麻布)
 メンチカツが人気、家庭的で安価。売切れ御免の行列店。
グリル佐久良(台東区浅草)さくらと読む。
 厚さ3pのポークカツレツが人気、大衆的で安価。
芳味亭(中央区人形町)
 ちょっと高級なお座敷洋食。ビーフシチューが人気。
たいめいけん(中央区日本橋)
 伊丹十三の映画「タンポポ」で紹介された「タンポポオムライス」が売り物。上に乗った卵の黄身がとろ・・り。



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