点滅希

 
 保険の効用  
    

 全ネ協共催制度、特に第二共済の事である。加入者はかなり好条件に保証を得ている。それをもっと仕事に結びつけることはできないものか、と考える。
「私共ネオン会社は、一事故三億五千万円の賠償保険に加入しております。安心してお任せ下さい」それだけでも営業がし易くなる。
「御社の広告塔はかなり傷んでおります。そろそろ‥‥‥。」
「それがね、そこ迄予算がとれないんだ。悪しからず‥‥‥。」
 あっさり断られる事が多い。そこで考えた。自主調査した資料へ大きな矢印を貼り、こことここが致命傷であることを示す。
「今すぐ倒れることはないにしても、飛散脱落はあり得ます。文字が半分道路へ落ち、運転者に重傷でも負わせたら、その責任と代償は計り知れません」
「そうなんだよね。二回上申したが‥‥‥」
「あと三ヵ月で私共の保険は切れます。十年過ぎますと何の保証も得られません」
「うむ!」となるか、どうか。なれば大成功、共済様様である。

(忠)

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