点滅希

 
 『寸分の努力』  
    

 一点差の野球は実に面白い。負けているチームは必至で策を以て望む。我々も同じ。競合入札の際、相手が複数故に諸々の策を講じる。仕入れ先に「今回限り」等と請願する。折角苦労して見積もりを出しても『これ、ネットは幾ら』とやられる。思わず『うむ…』と相成る。
 話は変わるが、熱砂の砂漠を行く駱駝の話を聞いた。キャラバンが休憩する際、駱駝は涎を脛に塗り付け、それが蒸発する際、ほんの僅か熱をとってくれる。猛暑の中の寸分の努力かと思える。
 最近私は体重をおとすことを試みた。食事量を半減した。ひたすら歩いた。一ヵ月経った。計量した。七十五キロ。更に三ヵ月。駄目。意地になってもう三ヵ月。やはり七十五キロ。そこでダウン。
 いくら食べても太らない奴がいる。腹が立つ。何故か調べた。人の腸は繊絨という栄養吸収管が何万本もあり、人によってその長さが違うらしい。短い奴は太らない。私のは長い?だから痩せない。ぎりぎりの努力が足りないと自覚。
 うちの婆さんが『次は何を始める気』『うるさい』といいながら連れ添って五十年過ぎた。

(忠)

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