VOL.12 ヨーロッパの突き出しサイン 「センテンドレ編」


 ハンガリーの首都ブダペストからドナウ川を快適な船旅で逆上ること一時間。センテンドレはブダペスト市民の格好なリゾート地として賑わっている。中央広場に面してカフェや画廊が並び、そこからのびる小路には土産物屋がびっしり。明るくエキゾチックな雰囲気は軽井沢に似ている。店々の突き出しサインはそれぞれに独得な工夫が凝らされていて素晴しい。店名の入っていないものが大部分だが、デザインで何の商いかすぐわかる。
 指輪をはめた手と手が握手を交す。写真上はアクセサリー店だし、頭巾姿の坊さんが魚と鶏の丸焼きを釣り上げている、写真下のサインは当然レストランのものという具合である。鶏肉にフォークとナイフが突き立っているところなど心憎い。(一番上のツバメは本物ですから念のため)。サインに対する想い入れとユーモア精神、判じ物めいた謎かけの面白さなど、わが国の江戸期のサインに一脈通じるものがある。金もアイディアも惜しみなくつぎ込んだ造りにはただただ脱帽。
 





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