World Sign バックナンバー 世界のサイン、遂に出版される
VOL.143  シマウマの縞は何のため
シマウマの縞は何のため
 海外旅行での一番の関心事は建築という人類が造り出してきた造形物であった。そんな私がアフリカで感動したのは沢山の野生動物たちだ。どんな動物もその動物ならではのキャラクター性を持つが、中でもアフリカの動物たちのキャラクター性は秀でているのではなかろうか。首の長いキリン、鼻の長いゾウ、色とりどりの羽や冠を備えた鳥たちと、その特異な造形と色彩は見事というほかない。これもまた造化の神の采配によるものか。
 馬は世界中どこにでもいるが、シマウマはアフリカにしかいない。頭からしっぽまで黒と白の縞模様で埋めつくされた鮮やかさ、美しさは見事というほかない。大草原の中で群れているところは遠目にもくっきりと目立ち、一頭だけで見るのとはまた違う存在感を示す。
 この縞しまは保護色の役割をはたすとされるが、私には却って目立たせることになるように思われて仕方がない。そのことを不思議に思っていた。
 シマウマはライオンなどに襲われたとき、集団で円陣を組んで防護すると言われる。ふと気が付いたのだが、そのとき一頭ずつの区別が付きにくく、全体が一つになって見えてしまう。それが、いわば迷彩色の役割を果たすのかもしれない。
 





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