World Sign バックナンバー 世界のサイン、遂に出版される
VOL.179  個性的な北欧の地下鉄駅
個性的な北欧の地下鉄駅
 フィンランドの地下鉄は27年にわたる計画・建設ののち、1982年8月2日に開業し、ヘルシンキ市交通局(HKL) によって運営されている。一端が分岐した全長35㎞の2路線で、25の駅がある。ヘルシンキ西部から中心部を通り東部の住宅地までを結んでおり、住宅地から都市部、あるいは都心内部の移動手段として利用されている。交通局の統計によると、年間の利用者数は5600万人(2005年)である。同じ北欧のストックフォルム地下鉄が地元の歴史や自然をテーマとした「世界一長い美術館」と呼ばれているのに比べ、ヘルシンキの地下鉄駅デザインは照明に対する繊細な感覚の多様な照明形式による天井面のデザインや、色彩や素材パターンのモダーンな建築的デザインが素晴らしい。これら駅毎のデザインは、ヘルシンキ地下鉄としてのアイデンティティーと、通勤や通学、日常的な利用の中で各駅のサインとしての機能と変化のある個性的なデザインが地下鉄利用者を楽しませている。
宮沢 功





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