VOL.3 薬局のネオンサイン

 薬局のサインにはネオンを使っている国が多い。お隣り韓国では1988年のオリンピック開催以前まで電力節限のためネオンサインは禁止されていたが、例外として国際ホテルと薬局、病院だけは点灯を認められていた。当時ソウルを訪れたところ、暗い夜の町中で薬局のネオンだけが目につくため、やけに薬局の多い町だなという印象を受けたことが記憶に残っている。ホテルは外国人観光客の便宜のため、また薬局、病院は非常時の備えとしてとられている処置であることは言うまでもない。
 床屋のサインが赤、白、青の螺旋マークで万国共通なように、薬局のサインでも各国の共通点がみられる。それはプラス十字を基本パターンとしている点である。ただしデザイン的な味つけは国によってまちまちであり、十字形の色も赤あり、白あり、緑ありと国毎に違う点が興味深い。街角のマスコットのような、そんな小さなサインにもお国がらが出ていて面白い。
 写真はイタリアのフィレンツェにて。
 





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