World Sign バックナンバー 世界のサイン、遂に出版される
  VOL.57  トルコの突き出しサインは吊り下げ式

 昨夏、トルコツアーを終えてイスタンブールから日本に帰着したのは8月15日、それから2日後のトルコ大地震にはただただビックリで他人事とは思えなかった。

 どこに行ってもトルコ人はみな親切で話好き。朝の散策の途路、チャイ(トルコ式紅茶)を飲みながら世間話に花を咲かせるグループから「一杯どうぞ」と言うように声を掛けられたことが度々。といっても会話には入れるわけもなく、温かい気持ちだけを受け取った。

 トルコの都市には小型の突き出しサインが意外と多い。ヨーロッパのように手の込んだものではなく、プレートに文字を書き並べただけの簡易なものが大部分だ。その取り付け方に面白い法則を発見した。日本では外壁からブラケットで持ち出し、側面で固定する方式が一般的だが、こちらではことごとく突き出したアームにぶら下げていて軽やかである。

 もっともこの方式はヨーロッパでもほぼ同様で、唐草の装飾が付いていたりする。日本の場合、ブラケット式が多いのは台風国としての安全対策であろうか。

 チャナッカレの舗道で写真を撮っていたら、店先で散水していた店主が自分を撮っていると思ったのか、ポーズを作って微笑んだ。

 





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