VOL.7 タイムズスクェアのネオンサイン

 アメリカで大型ネオンサインの多い都市といえば、ラスベガスは例外として唯一二一ユーヨークだろう。しかもそれはタイムズスクエアの一角に限られる。ここのネオンは密度では銀座4丁目に匹敵するが、空間のスケールが違う。Yの字に交わる道路の交点が構成する広場はネオンサインに格好の引きを提供し、都市空間を農かなものにしている。ネオンの光がこんなにも似つかわしい景観は少ない。ニューヨーク市では、この広場に面するビルには必ず一定規模以上のネオンサインをつけるよう、最近条例を改正したと聞く。市政担当者の卓見と英断を高く評価したい。
 タイムズスクエアのネオン広告の8割が日本の商品で占められている様は、我が国メーカーのネオン好きの現れと言おうか、商売熱心の象徴と言おうか。何れにしても、アメリカ産業がいま日本に席巻されている現実がここに示されているようだ。日本人として誇りに思う反面、あたかも日本の占領地でもあるような光景に異様さを感じる。
 





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