ほっとコーナー

趣味あれこれ
クロちゃんと花ちゃん
関東甲信越北陸支部 (株)シーエス・エイ 岩波智代子

 古希を二年ほど過ぎた。この歳になるまでペットを飼ったことがなかった。犬や猫も嫌いではないが、現役の頃は彼らを世話する時間も余裕もないというのが本音で、中途半端な気持ちで飼うと生き物が可哀想だと手を出したことがなかった。
 そんな私が仕事を退いて、少し時間に余裕がでたのでせっせと庭づくりに励むようになった。そんな時たまたま庭にあまり日当たりがよくないところがあり、なにを植えたらいいのか思いつかなかったので、そうだ池を作って亀でも飼ってみようと思った。亀について詳しい知識があったわけではないし、子供の頃に飼っていたからと言うわけでもない。なんとなく亀なのである。
 そこで、池作りからはじまった。オンボロの屋外用の小さなストッカーがあるのを思い出し、地面にその箱が埋められるくらいの穴を掘って埋め込んだ。周りをレンガと装飾用の仕切りで囲った。小さなものだからのんびりやって2週間位で完成した。亀御殿の完成である。
 次はいよいよ住人探し。近所の観賞用の魚類を扱っている店に行くと、大きな亀は一万円ちかくもするので、小さくて手頃な血統証もついていないような草亀を飼うことにした。調べてみると草亀はイシガメの仲間で元々は朝鮮半島や中国に生息していた外来種。現在は北海道を除く日本全国に分布しているそうだ。名前の本来の由来は草亀ではなく、人間や天敵に捕獲されたときに危険を感じると肛門付近にある臭腺からくさい匂いを出すことから名付けられていて、子供のころはゼニガメと呼ばれているとか。な〜だ、そうか。なんにしても手頃でいいやと二匹購入した。
 一匹は甲羅が真っ黒、もう一匹は白とクロの斑である。名前をクロちゃん、花ちゃんとつけた。二匹が亀御殿の住人になって2週間ほど過ぎたが、まだ警戒心があるらしい。御殿は私の寝室の窓の下にある。朝窓からこっそり覗いてみるとふたりで甲羅干しをしている。「花ちゃ〜ん」と声をかけると花ちゃんは首を伸ばしてふりむいてくれる。クロちゃんは声をかけるとあわててボチャンと水に飛び込んでしまう。面白いのは花ちゃんもクロちゃんも自分の名前を覚えたようで、先に花ちゃんに声をかけると、クロちゃんは自分のことじゃないと思ってか、知らんぷりしている。「クロちゃ〜ん」と言われると、自分のことだとわかるのか慌ててぼちゃんと水に飛び込む。からかっていると面白い。話によると亀は情が深く、人になつくと言われている。まだ付き合いは短いけど、これからが楽しみである。
 ただ新しい悩みができた。草亀の寿命は20年から40年、「最後までちゃんと飼ってくださいね」とお店の人に言われたけど、彼らの最後まで看取るとなると私は100歳以上生きなければならない。やっぱりペットを飼うのは大変だ。

甲羅干しするクロちゃんと花ちゃん

 

 
郷土の味自慢・酒自慢
北見焼き肉文化
北海道支部 (株)シモモト工芸社 下元陽司
 私の生まれ育った北見市は特に凄いと言える観光はありません。北見市民も北海道観光で自慢は?と聞かれると何もないという人が多いのです。しかし食文化を見てみると、近年の北見は「焼肉のまち」として市民全員で焼肉文化を盛り上げております。
 もともと北見は市内に家畜処理場があり新鮮な肉が手に入りやすい環境でした。当時はホルモンなどの内臓肉を食べる習慣がなく内臓肉は食べられないものだといわれておりました。とはいえ、その新鮮さを売りに「ホルモン焼き」と書かれた看板や提灯のお店は当時の国鉄職員や会社員などに人気がではじめ、それが北見焼肉文化の始まりとなりました。
 炭火と七輪で焼いたホルモンを果物などで作ったタレで食べる焼き肉店のスタイルは、昭和30年代には市内に広がりをみせ「安くてうまい」と市民をはじめ転勤族や出張族にも評判となりました。そして今はうまくて安い焼肉と寒い北見を楽しむイベントとして毎年2月に「厳寒の焼き肉まつり」が20年間にわたり開催され、全国はもとより世界からも参加者が来北されております。道内の市のなかで人口当たりの焼き肉店が最も多いのが北見市です。私たちの北見人の焼き肉スタイルは下味をつけていない新鮮な肉を塩コショウで味付け、七輪と炭火で焼き上げるのが定番です。


 そしてお酒といえば「オホーツク地ビール」。これは国内初の地ビールです。1995年に醸造所とレストランを併設し、営業を始めました。ピルスナー・エール・黒の3種類の特徴あるビールで市民から親しまれております。
 今はコロナ禍の中で各地の飲食店も様々な工夫をしておるところですが、やはり街の元気のバロメーターには活気あふれる食文化は大変重要だと思います。
 北海道オホーツクに来られる機会がありましたら、ぜひ北見の焼き肉と地ビールで楽しんでいただければと、これを読んでいただける皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。


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