面白ブックレビュー

 
「学習の心理」
著者:実森正子、中島定彦 サイエンス社
 梅干を食べると唾液が出る。言葉を聞いただけでも出る。言葉自体が酸っぱいわけではない。ウメボシという音があの酸っぱい食べ物を指す、ということを私たちが「学習」しているからだ(だからこれを食べたことがない人やこの日本語を知らない外国人は、ウメボシと聞いても唾液は出ない)。心理学の用語では、これらを刺激(梅干しそのものや、それを指す言葉)と反応(唾液)という。
 刺激としては、かなり多様なものがその役割を果たすことができる。例えば梅干しを食べる前にいつも黒い正方形を見せられれば、私たちは黒い正方形を見ただけで唾液が出るよう「学習」してしまう。
 ここでいう刺激はけっこう「サイン」に近い。とするとサインも受け手の学習と密接な繋がりがあるのかも。
migi


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